2013年8月27日火曜日

21_21 DESIGN SIGHT 『カラーハンティング展』に行ってきました。


安藤忠雄さん設計の21_21DESIGN SIGHTに行ってきました。
建物の必要なボリュームは地下に持っていき、地上は、平屋程度の高さで、奥の針葉樹の高さとちょうどバランスがとれている用に思えます。
遠くのビルも隠れていて、植栽と建築が調和しているな〜と感じました。

今回は、カラーハンティング展を見に行ってきました。

カラーハンティング展のディレクターの藤原大さんはISSEY MIYAKEのクリエイティブディレクターを務めていたこともあり、現在は、色と素材をテーマにサイエンスと物作りをデザインでつなげる活動を展開されているそうです。

色を切り口に様々な物や事をつなげて考えてみることを提案するのが今回のカラーハンティング展と紹介されています。

こちらは、3年間続けてハンティングした空の色だそうです。
ぼくが想像する空の色はやっぱりブルー。
でも、実際はブルーとグレーの中間色が多いです。
思ったり、想像するのと実際の色は違いますね。



世の中には、「色」が無いものがある。
というテーマの展示がこちら

それは、言葉。
言葉から連想される色を調査して表現した作品です。

よく、嫌な事があると「今日は、ブルーな感じ」と話すことがぼくもあります。
イメージの中で色を言葉、情報に置き換えると分からなかったことが分かりやすく伝えられることがある。それが、このカラーボキャブラリーで表現されているそうです。

そう考えると「色」って不思議な力を持っていますね。
藤原大さんもおっしゃっていますが、
ぼんやりしてこうなんじゃないか、と伝えたい時に色を使って表現すると便利に伝えられる。ボーダーもなく境界もない、だけど繋がっていける。

そんな「色」の力について考えたことは無かったので、この展示会はおもしろかったですね。



でも、今思うと、樹木も言葉はしゃべれないけど、色で伝えているな〜と思うのです。
樹木が痛みだすと、葉は濃い緑が黄緑色になってきたり、日射しが強すぎて、焼けた色になったり、枝だって、水が通っていなければ変色してきます。土だって、水が無ければ乾いた白っぽい色になります。

「色」
これからもっと考えながら向き合っていきたいものですね。

10月6日まで開催されているそうです。みなさんも是非。
http://www.2121designsight.jp/


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2013年8月25日日曜日

湯河原 阿しか里の雑木の庭

高田造園さんが作っている湯河原の温泉宿『阿しか里』の雑木の庭を見学させて頂きました。宿泊する訳でもなく、アポも取る訳でもなく、突然訪問し、見させて下さい。と申し出たのですが、宿の方は快く「いいですよ。」とおっしゃってくれました。

ぼくが雑木の庭に魅了させてもらったのも高田造園さんと出会ったのがきっかけであり、高田さんが作る雑木の庭で個人住宅だと中々勝手に見ることはできなく、今回は旅館だからきっと見せてくれるだろう、チャンスだな!と勝手に思い、思いだって見させて頂きました。


流れは昔からあったかのように自然にとけ込んでいます。

奥の山が借景となっていて、そこの土地だけで庭作りをするのでなく周辺環境も取り入れた計画はすばらしく感じ、僕が好きな京都の無隣庵を思い出しました。


コナラやモミジ類の幹の動きというのか傾き、木々同士の組み合わせ方は、勉強になります。

樹木同士をどの位の感覚で植えるのか

流れとコケとの取り合いや土の盛り具合や下草の配置。
などなど、勉強させてもらうところがたくさんあります。



どの角度から見ても、絵になりますね。
正に僕が目指している、庭と建築が調和しています。


室内から見ても涼しげに感じます。

今度は、ワインを飲みながらゆっくり、休みに来たいなと思います。


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2013年8月15日木曜日

夏期休暇


ナインスケッチは、下記の日程で夏期休暇を頂きます。

8月16日(木)〜8月20日(火)
はお休みを頂きます。

リフレッシュし、更にご満足頂けるご提案ができるように充電して参ります。
休み中にご連絡頂いた件に付きましては、21日以降に順に対応させて頂きます。
ご了承お願い致します。


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掛川市Fベースさんの雑木の庭 植栽計画


Fベースさんの雑木の庭の植栽のポイントは、まずは、家際に高木を植えること。
それも、1階の窓だけでなく2階の窓の位置を確認しながら植え付けていきます。
1階からの景色はいいけど、2階からの景色は殺風景となりがちです。どの部屋にいても緑を感じられるように、2階からの枝葉が揺れるのを感じたり、小鳥が羽を休めにくるのを眺めたりもできるのです。

また、住環境を考える上でも役立ちます。
ウッドデッキをつくっても夏場はそのウッドデッキが直射日光を浴びて高温になってウッデッキにはでれません。家際に高木を植えることでデッキに木陰を落としてくれ、生活スペースが広がります。

また、ウッドデッキから生まれる照り返しや輻射熱が室内の熱環境に悪影響を及ぼします。家際に高木があることで木陰をつくりウッドデッキの熱を和らげてくれます。樹木がないと相当深い軒先が必要になると思います。(本来、ウッドデッキを提案するなら樹木もセットで提案すべきだと思います。)

今年は、植えたばかり枝葉の広がりも少しですが、2、3年すれば木陰に囲まれたウッドデッキになることでしょう。
ウッデッキにに映る木陰が風に揺れるのを眺めるのも心が落ち着きます。

こちらは、東側の雑木の庭。
限られた予算の中で、ウッドデッキ廻りを中心に植栽させて頂きました。
こちらも1階だけでなく2階の窓の位置を気にしながら配置し、1階の窓はどの角度からみても道路から植栽が重なるように目隠しできるように配置にしています。



そして、もう一つのポイントは樹木を寄せて植え付けること。
木立にして植える、高木層、中木層として階層的に組み合わせて競合させて上へ伸びさせる。また、樹木は幹肌と地面が暖まるのを嫌います。1本だけで植え付けると限られた影しか出来ません。寄せて植えることでお互いが陰をつくり守りあう。自然の森の環境のように植え付けることが大切なのです。1本で植えているから樹木は幹肌や地面に熱を当てないように枝葉を広げます。成長が早くなり、人間にとっては伸びる枝葉は邪魔に感じてしまいます。
たくさん植え付けることでたくさんの樹木を管理するのが大変だと思いがちですが、1本で植えるよりゆっくりと健康に育ってくれるので枝葉の剪定や病害虫の管理は返っては楽になるのです。

街路樹なんかは、厳しい熱環境の中に植えられて、その熱から守ろうと伸ばした枝葉は人間にとっては邪魔だからと勝手に無惨な姿に剪定されかわいそうな樹木です。


そして、根元を叩いて仕上げる。
叩くことで雑草が少しでも生えにくくなり、その土地にあったコケが付きやすくなります。足下がすっきりしていれば落ち葉の掃除も楽ですね。


緑は、ほとんどの人が「いいな。」と感じると思います。
でも、自分の家に緑が欲しいかどうかと考えた時、管理が大変そう、病害虫が発生したら嫌だ。として敬遠してしまう人が多いのではないでしょうか。
それは、土壌改良を含めて、配置計画など自然の環境のように植え付ければ管理も楽になり、本来の緑の良さが感じられるのだと思います。


Fベースさんの雑木の庭のツリバナマユミの実も赤く染まり始めました。
夏も終盤になり秋を感じさせてくれます。
ここの雑木の庭は日に日に変化し2年後、3年後、5年後と樹木1本としてでなく庭として成長してくれます。
庭の成長と共に心の成長、豊かさが増してくることでしょう。


高田造園さんから「庭をつくるというより、快適な住環境をつくるというのがこれからの雑木の庭では大切なコンセプトになる。」という教えを頂き、これからも更に勉強し、新築の家が出来ると緑が減るのではなく、家ができると緑豊かな環境が増えていくような外構、庭の提案を心掛けていきたいと思います。


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2013年8月4日日曜日

掛川市Fベースさんの雑木の庭 外構のプランニング

掛川市の工務店Fベースさんのモデルハウスの外構と雑木の庭の工事が完工しました。
Fベースさんは、「暮らし」をしていく上で大切なのは、建物本体だけでなく庭や家具(インテリア)も大切。という考えを持っていnいます。
餅は餅屋という考えもあり、ある程度の暮らし方などの要望は伝えて、あとは専門家に任した方がいいものができる。
そんな思いや考えからご依頼を頂いてプランニングし施工させて頂きました。


庭を考える上でまずは、外構計画と同時に考える必要があると思います。もっと言うと建物の計画と同時に庭や外構計画が必要だと思います。

今回のご要望の中でスロープが欲しいということがありました。
スロープだけでは健常者にとっては不便だと思います。階段もほしいと思いますので、スロープと階段、両方の計画をご提案させて頂きました。

また、スロープの取り方。
普通は、スロープは直線敵にクランクするようにつくるのが一般的ですが、今回は斜めに振りました。

斜めにすることでスペースが生まれます。その空いたスペースに植栽を計画することが出来ます。(むしろ、そこに植樹帯が欲しかったから斜めに振りました。)
そこに植栽を計画することでスロープを通る時は植栽の間を通り抜ける気持ち良さ、心地良さが感じられます。
また、道路側から見た時、部屋から見た時、奥の植栽帯と重なり合って見えることで奥行き感が感じられると、目隠しが強くなりプライベート感が感じられます。



また、ここで、もう一つお伝えしたのは、
おそらく他の外構屋さんならブロックやフェンスを駐車場と庭の間に計画することが多いでしょう。
高低差もあり土留めをしたがります。
構造物を作ればコンクリートの基礎も必要で費用がかかります。
ぼくは、その費用を植栽計画に掛ければいいと思っています。植栽が増えれば見た目も良いし、気持ちよくも感じられ、五感にも豊かさを与えてくれます。
土留めなんかも必要ないのです。自然の山はフラットな土地はありません。外構や庭を作る上ではむしろ斜面がある方が自然で趣がでると思っております。



ブログが長くなりそうなので、今回はここまで。
次回は、雑木の庭の樹木の配置や植え方について書きますね。
ではでは。


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